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オーロラを見たい件について

  • 執筆者の写真: Maiko
    Maiko
  • 2021年11月24日
  • 読了時間: 2分


霧雨の夕刻。本屋をブラついていた。私は本屋が大好きで、3時間とか平気でいてしまうタイプである。


私が徘徊していた軽井沢のアウトレットにある本屋さんは一風変わった絵本とか図鑑とか洋書とかが多い。


万人に受ける本ではなく、その時々でその個人に刺さる一冊があったりなかったりする。


生憎、その日の私に刺さる本はなかった。霧が立ち込める小雨の軽井沢の夕刻は、なんとも幻想的で、私の読書意欲を高めたが、粘って店内をぐるぐるしてみても、読みたい本には巡り逢えなかった。


諦めて立ち去ろうとした時、オーロラの写真集の表紙が目に入った。本棚の1番下、足元らへんに見えたオーロラの表紙写真に心打たれてしまった。


緑とも青とも言えない、透明感ある輝きを放つ空のカーテン、オーロラ。そのえも言われぬ美しさに、なんだか泣きたくなってしまったのだ。


私は、常々、実物のオーロラを見たならば泣ける気がすると思って生きてきた。圧倒的な自然の美しさに気づいたら心震えて泣いていた!!みたいな経験をしてみたいと今でも思っている。


しかし、写真だけ見ても泣きそうになった自分に少し驚いて、そろそろ更年期かな?とか冷静に思ったりもした。


考えてみた。


なぜ、オーロラを見て泣けるのか??

それは、諦念に近い気がした、そして一種の解放なのかなとも思った。


オーロラ。自然の創り出す絶対的な造形美。キーンと凍てつくような寒さを肌で感じ、澄んだ空気の中見える空の紋様は、何をどうあがいても自然には勝てないという悟りを与えてくれる気がした。


もがきながら生き抜く中での圧倒的な敗北に近い解放を自然が与えてくれる気がしたのだ。


もういいか。なるようになる。これが自分なんだからと、自分の生き様を素直に受け入れられる、そんな安らぎに近い諦念が涙を流させるのかもしれないと、ふと思った。


Smiycle

 
 
 

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